『損して得とれ』
いつも読んで頂きありがとうございます。
昔からの商売の教えの中に「損して得とれ」という言葉があります。
目先の一時的な損得勘定でなく将来的長きにわたって利するよう考えよ、という教えです。
この言葉は我が師匠日置美容室創業者の日置雅夫、好美両先生から折に触れて教えて頂くことがありました。
例えばこんな事例がありました。ご家族でお越しになっていたお身内のご葬儀でセットにいらっしゃったお客様に対しては「寂し見舞い」の代わりに料金を頂かないとか、ご家族のお祝い事の際も同様に「お祝い」としてサービスさせて頂くことも多々ありました。
日常的にも気になった眉毛の整えや産毛そりなども仕上げの延長で当たり前のようにサービスしていました。
この考え方は今の時代ではもう通用しなくなったのでしょうか。
「せっかくちゃんと仕事したんだから、お金もらえばいいのになぁ」私も当時はそんな感じで思っていました。
ビジネスライクに考えれば、ひとつひとつの施術、お客様で利益を確実にしていく考え方が今の商売の基本になっているようではありますが、「損して得とれ」は仕事をする人間の考え方としては今の時代においても大いに大切なことだと思うのです。
相手が喜んでくれることの積み重ねが商売の繁栄につながるとしたら、美容室においては我々美容師がシャンプーの時に「ここをもう少し洗ってあげたら気持ちいいだろうなぁ」と思って余分に洗ってあげるとか、スパの時にタイマーが鳴ったらすぐストップでなく少し余韻を楽しんで頂けるようフェードアウトしていくとか、本当は自分の話がしたくてしょうがないのにお客様が話したい話題を振ってあげて楽しくお話して頂き気分よくなって頂くとか。
こんなことの積み重ねが他の美容室ではなくここに来たいという気持ちになって頂けるのでしょう。
日置雅夫、好美両先生が実践してきた「損して得とれ」の考え方、正しくは人の生き方の最高峰である「徳のある生き方」まさに『損して徳とれ』という事であったのかとあらためて気づかせて頂いた次第です。
じゃあね。
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