オーナーの代役
いつも読んで頂きありがとうございます。
前回までは時代が変わっても美容室が目指すべき姿についてお話ししました。
有り難いことに今までにない多くの方々に読んで頂いているようで反響の大きさにあらためて驚いております。感謝です。
このブログはアシスタントクラスの方も愛読してくれているようなので、以前も触れたかもしれませんが、私が知っているサロンの事例をご紹介します。
ある関西地方のサロンのお話です。ここは1店舗のサロンでオーナーさんも現役美容師として活躍されています。評判の良い繁盛店で人材も育ってきたので近々もう1店舗を少し離れた場所に出店する計画をお客様にお伝えすることになりました。
新店が立ち上がるまではオーナー自らしばらくの間、本店と新店を行き来して対応しようという事になり、本店でオーナーが不在の時の担当者は誰が良いかとお客様のご希望を聞いた時、その答えに皆が驚かされる結果が待っていたのでした。
オーナーのお客様の何と8割以上の方が、デビュー3か月のジュニアスタイリストのA君を指名したのです。もちろんこのサロン他にスタイリストがいないわけではありませんよ。10年以上のベテラン美容師も数人いるのにです。
オーナーが驚きその理由をお客様に聞いてまた再び驚かされることになったのでした。
お客様Aさん
「あの子はいつも自分からあいさつに来てくれるから、何となく人柄もわかっているので」
お客様Bさん
「彼はシャンプーしてくれる時、髪の状態を診てくれてお手入れの仕方が良いとか、もう少しこうした方が良いとか毎回必ず言ってくれるの」
お客様Cさん
「挨拶の時に毎回名乗ってくれるのでね。そういえばオーナー以外の人の名前を彼以外知らなかったわ」
このオーナーさんは現場では技術に厳しく、自らもメーカーさんなどの依頼で講習をされたりしている方だったのですが、「俺はスタッフに何を教えてきたのだろう。お客様が求めていたものは俺がスタッフに求めていたものとこんなに違うなんて!」と思われたそうです。
あらためてこの時代こそ、もしかしたら一番大切なことなのかもしれませんね。
なので今回お伝えしたかったことは、アシスタントクラスの人でも、もっと言えば技術が出来ない人でもお客様をうれしい気持ちにしてあげることは出来るのです。その上に技術があるから誰にも代わりが利かない不動の美容師になるのでしょう。
『一流の美容師になりたければ、その前に一流の人間であれ』日置美容室の創業者のひとり日置好美先生のこの言葉が今まさによみがえってきました。
今一度、皆でお一人お一人に挨拶してみて下さい。そして施術の際、そのお客様に関心をもって髪のこと、ファッションのこと、容姿のこと何でもよいので素晴らしいところを誉めてあげてください。
やっぱり美容室はお客様に「元気」「勇気」を提供する場所なので。じゃあね。
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