美容師の『味』 ~美容技術講座~ パート3

いつも読んで頂きありがとうございます。

引き続き技術についてのお話です。

お客様にとって美容室での仕上がりに感動する(喜んでくださる)ことのひとつに、事前のカウンセリングでお客様と共有した通りのヘアスタイルが出来た、というものがあります。

美容師側からするとカウンセリングでイメージしたスタイルよりももっと良いスタイルに仕上げてあげれば良いのでは、などと考えがちでお客様との共有を大切にしない場合が多いのですが、これは間違いです。特にデビューして間がなく経験やお客様との信頼関係が充分でないスタイリストの場合はこの過程を大切にしてお客様からの信用、信頼を得ることがファンづくりの近道と言えるでしょう。

私は長年、この過程をおろそかにしてきたことを大いに後悔することがありました。それは技術教育を行うようになって初めて気づいたことでした。

それまでの私はお客様とスタイルを共有する際に画像などを使った場合など、そのスタイルを何となく捉えて自分の中での過去作品の上手くいった「切り方」「作り方」に当てはめて行っていました。

何となく似たような髪型にはなるのですが、すごく喜んで頂いたりましてや感動を呼び起こすなんてことは極まれでした。一応、その場では喜んでくれたり、感謝の言葉を頂いたりはするので、自分としても何となく結果オーライ!「良かった、良かった」で終わらせていたような気がします。

当然、ファンはなかなか増えませんし、自分でもイメージ通りいかないことで自信もつかないそんな仕事を繰り返していたように思います。

技術教育を行うようになって自分自身が学んだことの大きなひとつが「結果オーライな仕事では上達はあり得ない」です。

パート1でも言いましたが、

「出来上がりを明確に捉える。」すべてはここからスタートです。ゴールを明確にすること。です。

ヘアスタイルにおけるゴールの捉え方は、

「前からみたレングス、ボリューム位置、ボリューム位置より上の形、下の形」更に分析して

「フロント、サイド、トップ各セクションの長さとカットライン」を想像する。次に

「横からみたレングス、ボリューム位置、ボリューム位置より上の形、下の形」更に分析して

「アンダー、ミドル、オーバー各セクションの長さとカットライン、前から見たトップ、サイド各セクションとのつながり確認」を想像する。

更に「各セクションの質感(ウエーブの出し方)、カラーの状態」

以上を分析、想像することでセクションごとの明確な出来上がりの状態をイメージしてその組み合わせがひとつのヘアスタイルを創り出していくことを、何度も何度も訓練し、振り返って近づけていくことで備わっていく能力だと感じています。

「ゴールなくしてスタート無し」明確な出来上がりイメージをもって、近づけていく努力こそ上達、ファンづくりへの近道です。じゃあね。

失敗続きのおじさん美容師のもしかしたらためになるかもしれない話

名古屋 栄の日置美容室で40年以上美容師を続けている田中隆史の元気⁉︎になるブログです!今、言っておきたいこと、気になってることをお伝えしていきますね。よろしくお願いします。

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