芸術鑑賞〜横尾忠則展〜
いつも読んで頂きありがとうございます。
今回はアートのお話。
少し前の話ですが、愛知県美術館にて開催されていた「GENKYO横尾忠則 原郷から幻郷へ、そして現況は?」というなんだかダジャレのようなタイトル名の展覧会へ行ってきました。
横尾さんはグラフィックデザイナーから出発され、数々の広告や商業デザインを手がけられた天才デザイナーです。
私が中高校生の頃に熱心に聴いていた伝説のラテンロックバンド「サンタナ」のレコードジャケットのデザインで出会ってから長年にわたり気になる存在であり続けていました。
その作風といえば、ある時はマンダラの如くスピリチュアルで、ある時は人の心の核心をつくような素朴なタッチの描画だったり、人物も風景も彼の目線を通すとそのように見えるのかと思わされるものでした。
その作品からは人への優しさ、しかし逃げようのない現実との向き合い、同じような風景やモノを描き続ける中から得ていく彼の自分自身への癒しを感じて、仕事への直向きさ、深めて突き詰めていこうとする姿勢に興奮を覚えずにはいられません。
特に独特の色づかいである混ぜると黒っぽい色になるRGB(赤、緑、青)を多用した描き方は彼独特の色の出し方で特徴的です。
近年、若いアーティストの作風にもかなり影響を与えているようです。
ことに赤色。作品のテーマから人の血肉の色だと思っていたのでですが、今回の展覧会で初めて知った経歴から、それが幼い頃戦時中に体験した神戸や明石の空襲での夜空の赤く燃え上がる光景を見た残像であったことがわかりました。
このように人にとって忘れられない強烈な出来事は一生涯その人の人生や仕事に影響を与えていくのだとあらためて思った次第です。
1980年代にデザイナーからアーティストへ転向した横尾さん。
齢80も半ばを迎えてもいまだ衰えることのない創作意欲と表現技術への探究心は、私のようにクリエイティブな仕事の端くれにいる者にとって刺激を与えてくれたひと時でした。
横尾さん!いつまでも作品出し続けて下さい。楽しみにしてます!
じゃあね。
0コメント