"教え忘れたこと"の話

いつも読んで頂きありがとうございます。
現在、4月も終盤に差し掛かっております。
各美容室においても新人の皆さんがシャンプーやカラーリングの塗布の練習を一生懸命励んでいることでしょう。
私が人材育成の責任者として携わらせて頂いた最初の頃、丁度30年近く前の話です。
会社から預かった新人たちを早く少しでも戦力化して役立つようにするという思いのみで頑張っていた頃のことです。
技術は教え込んでひと通りのシャンプーが出来るようになってテストも合格してくれたので安心していたのですが、ここで各店からクレームの嵐が待ち受けていたのでした。
新人たちのシャンプーが評判良くないというのです。
「えっ?なんで?」そんな思いの中、支店のある店舗に行った際に、新人のひとりに実際にシャンプーしてもらうことにしたのです。
自分が教え込んで育てた新人ですから思い入れもあってやってもらっている間は特に何も感じずどこが気に入らないのかなぁ?などと考えながら終わりを迎えたのでした。
そしてセットブースにてマッサージをしてもらいながらふと感じたことに衝撃を受けたのです。
この新人さんやってる事で精一杯、教えてもらった事を何とかやり切るだけで満足してるのでは?
「しまった!」
そうなんです。
私たちが一番大切にしなきゃいけないお客様(相手)の満足、喜びを満たしてあげる事の大切さ、それこそがひとつのゴールだという価値観を伝えられていなかったのでした。
この時、自分の愚かさと新人たちへの申し訳なさとでひどく落ち込んだ記憶があります。
とかく人間は自分中心に物事を見てしまう傾向があります。
私たちのような相手のある仕事(接客業)はお客様に満足して頂いてはじめて料金が正当に頂ける仕事です。やった事だけで料金が発生する仕事ではないという認識がとても大切なのです。その一番大切なことを伝えていくことを忘れないと誓った失敗事例でした。

これらの事例から私が学んだこと
・お客様ひとりひとりにその人の満足があること。
・形に残らない仕事(シャンプー、マッサージ、スパ等)は見た目わからないので「気持ちよくなって」という心を込めておこなう事が大切である。
・「もう少しだけやってあげよう」「こうしてあげると気持ちいいかなぁ」という思いを普段からお客様や働く仲間に向けていき、「真心」を鍛えておくこと。

そうすれば必ずファンや応援者が周りに増えていき仕事そのものが充実してくると思います。
行き詰まった時こそ、この3つを思い出してもらえたらとても嬉しいです。
私も今日一日、周りの人達を少しでも幸せな気持ちにしていこう。じゃあね。

失敗続きのおじさん美容師のもしかしたらためになるかもしれない話

名古屋 栄の日置美容室で40年以上美容師を続けている田中隆史の元気⁉︎になるブログです!今、言っておきたいこと、気になってることをお伝えしていきますね。よろしくお願いします。

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