おせっかいという武器
いつも読んで頂きありがとうございます。
今回のコロナショックでいろんな業種の接客が見直しを迫られています。中には本来の良さを奪われようとしている業界もあるようです。
昔からホテルと日本風旅館との大きな違いがあります。だいぶ前になりますが、ホテルがお客様の要望をかなえようとスタッフ全員で一生懸命なのに対して、日本風の旅館にはお客様にいろいろ要求する事が多いという新聞の記事を読みました。 これは、レストランと料亭の違いでもあります。
例えば、部屋での過ごし方に関して言えば、ホテルでは全くお客様の自由であり、むしろ何かお望みがあればリクエストしてくれといって客室係は退室していきます。 ところが旅館では部屋へ入るなり担当の仲居さんがお茶をいれてくれるは、地元の案内や、この部屋では何時頃にどの窓からの景色がいいだのお願いもしてない事を教えてくれます。
更に料理の食べ方でも好きなようには食べさせてくれません。女将さんの指示に従って頂くのがある意味礼儀の様なところもあります。 挙げ句の果てには広間で食事をしている間に部屋では布団を敷いて寝床の用意までしてくれて。旅館での要領がわかってないと気持ちが悪いようなおもてなしです。 昔はその流儀を知らない外人さんが怒っちゃうケースもあったらしいです。
それぐらい、日本式はおせっかいがおもてなしのひとつの表し方なのですね。 ところが実はここ最近は、このスタイルに人気が高まっていたのだそうです。
自分のやりたいようにやるのも良いのですが、おせっかいには相手に最高の状態を届けたい、最高の感動を体感して喜んでもらいたい、という「お茶」の世界が由来の思いやりが根底にあるからでしょうね。
この「思いやり」。私たち日置美容室も大切にしているお客様と、共に働く仲間への思いでもあります。
いくらご要望でもお客様の価値を落とすようなヘアスタイルや施術は行わない。美容師が自ら職業人としてのプライドを持てなくするような発言や行動があれば注意し合う、などがその表れでしょう。
コロナショックで「新たな生活様式」がスタンダードになったとしても、今こそ日本人として忘れてはならない心のスタンダードだとあらためて感じています。
じゃあね。
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